クィア学会は今年で成立して5年目を迎え、年次大会においては活発な研究成果報告と意見交換が続けられている。とはいえ、日本の高等教育・研究機関においてクィア・スタディーズの研究に従事できる環境は整っているとは言いがたい。
これは、ひとつにはクィア・スタディーズの学問領域としての新しさおよび学際性のため、研究者が既成の多様な学問分野に分散していることが理由である。このため、大学院生が既成のそれぞれの分野において研究成果を検討しあい、指導を受けることは可能であっても、研究課題について〈クィア・スタディーズの観点にもとづく〉批判や助言を受けることは、必ずしも容易ではない。結果として、将来のクィア・スタディーズを担うべき大学院生の育成に必要な、学術的基盤の共有や有益な意見交換のための場は圧倒的に不足しているのが現状である。
この現状を踏まえ、また、クィア学会の趣意文に「本学会は、学際的な研究領域であるクィア・スタディーズに関心のある研究者に、相互交流と研究成果共有のための一つの場を提供することを、目的とする」とあることを鑑みて、学会会員有志による院生研究会の開催を提案する。
なお、この院生研究会は将来的には学会内のワークショップとして位置づけること念頭におくが、当面は科学研究費助成研究である『日本におけるクィア・スタディーズの展開』研究グループ有志によるパイロット・プロジェクトとして運営するものである。
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参加院生は事前にディスカッションペーパーを提出するものとし、ワークショップ当日は各院生が自分の研究計画を元に20分程度の報告を行った後、参加者全員で報告内容についての討議を行う。
2. 目的
3. 場所、時間など
4. 参加者
クィア学会所属大学院生(博士号未取得)。
報告者としては、修論執筆を控えたM1、博論の概要を固めつつあるD1を優先するが、研究計画を元にした報告が出来る場合、必ずしもこれだけには限定しない。
報告者は申込時に報告の簡単な概要を提出する必要があり、申込が多数の場合はコメンテーター役の研究者が報告者を選出する。
なお、この研究会は当面は非公開とする。
5. コメンテーター/ファシリテーター
6. 資金
ただし、各参加者から1500円の参加費を徴収し、これをプール金として遠方からの報告者への多少の補助とする。
7. 募集時期、および応募先
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以上。
〈クィア・スタディーズ院生研究会〉パイロット・プロジェクト有志
(科学研究費助成研究基盤C「日本におけるクィア・スタディーズの展開」研究グループ)
石田仁
風間孝
釜野さおり
河口和也
クレア・マリィ
清水晶子
菅沼勝彦
谷口洋幸
堀江有里